障害者自立支援法施行で1200億円の特別対策!

2007年3月20日 23:01  | 自由民主


昨年四月から施行された障害者自立支援法を円滑に施行するため、総額1200億円の特別対策が講じられることになりました。この特別対策の予算化に尽力した党障害者福祉委員会の木村義雄委員長と、党障害者の小規模作業所を支援する議員連盟の会長を務める岩永峯一副幹事長に、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常任理事の森祐司氏、財団法人全国精神障害者家族会連合会専務理事の江上義盛氏、社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会常務理事の松友了氏が"クリック"しました。


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森祐司(社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常任理事)
江上義盛(財団法人全国精神障害者家族会連合会専務理事)
松友了(社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会常務理事)

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木村義雄(党障害者福祉委員長)
岩永峯一(党副幹事長)

社会福祉は社会保障の原点です

木村義雄 昨年四月に障害者自立支援法(以下支援法)が一部施行されてから、間もなく一年を迎えようとしています。この法律は成立前から激しい議論が行われ、施行されてからもさまざまな問題が指摘されてきた経緯があります。
 わが党の中に以前から、山崎拓先生が会長をしておられる障害者保健福祉推進議員連盟や、岩永峯一先生が会長をやっておられる、障害者を受け入れている小規模作業所を支援する議員連盟などがありますが、支援法施行後に発生したさまざまな問題を解決するために、党を挙げて取り組むということで、わが党の社会保障制度調査会(会長・鈴木俊一衆院議員)の中に、障害者福祉委員会を作り、私が委員長を仰せつかりました。
 委員会は昨年十月から活動を始め、障害者福祉はわが国の社会保障の原点であるという認識に立ち、支援法の円滑な施行を図るための特別対策に取り組みました。その結果、特別対策として、平成十八年度補正予算で九百六十億円、平成十九年度と二十年度予算で二百四十億円、総額一千二百億円の措置が決まりました。

岩永峯一 私が会長を務める小規模作業所支援議連には、約百五十人の議員が参加しています。支援法が施行された後、参加議員を通して、支援法の趣旨には賛成だが、急激に新法の方向に移行するのは難しい、という小規模作業所の声が、全国各地から上がってきました。全国には六千の小規模作業所があり、多くの方々が不安を持たれたのです。
 昨年十月に、皆さん方の三団体から「小規模作業所の発展に関する緊急要望書」が出されました。私たちは議連ですから、最終的に政府に要望するために、障害者福祉委員会の委員長である木村義雄先生に五つの要望をさせていただきました。
 木村先生には大変ご尽力いただき、直ちに新法に移行できない作業所への定額百十万円の助成や、新法に移行するための施設改修費などハード面での助成が行われるなど、結果を出せたことは、私としてもうれしい限りでした。小規模作業所の皆さんも、将来への不安が解消され、ホッとされていることと思います。

森 祐司 施行された支援法には、私たちの要望をできる限り盛り込んでいただきましたが、施行後、現場サイドに不安が出たことも事実です。そこで私ども三団体でも、いろいろと対応を話し合っていました。
 そこで私たち三団体に二団体を加えた五団体は、各論部分の見直しに対する要望書を作成し、岩永先生にご相談したところ、自民党に新たな障害者福祉委員会ができたので、委員長の木村先生に相談したらどうかという示唆をいただき、木村先生に連絡を取りました。
 すると、「すぐに説明に来てください」と言われ、要望書を持って飛び込んだわけです。そうしたら、短期間のうちに、総額一千二百億円の措置が講じられることになり、感激致しました。

利用者の負担軽減

江上義盛 支援法の施行に伴い、サービス料の利用者負担が生じるなど、障害者の負担が増えるというような問題が発生しました。精神障害者の場合、精神科の治療を受け、リハビリを行い、薬を飲みながら、小規模作業所に行ったりしますから、利用料などが上がると、その負担が重くのしかかってくるのです。
 私たち三団体は、負担が現状より悪化しないことを条件に支援法に賛成してきたわけですが、フタを開けてみたら、施設利用料の負担や、自立支援医療費の負担などが重くなり、精神障害者にも不安が広がりました。しかし今回、特別対策が講じられることになり、精神障害者もその家族も大変喜んでいます。

松友 了 私たちは構造改革の一環として、社会福祉の基礎構造改革を支持してきました。規制緩和をして、きちんとした契約によって、民間の法人に障害者福祉を担ってもらう、という考え方を評価してきました。その流れを受けて施行された支援法の理念は間違っていないと思います。
 ただ、法律そのものには具体論はなかったのですが、運用段階になってくると、現状ではかなり厳しすぎる面がありました。法の理念を変える必要はないですが、法律がスムーズに運用されるために、もう少し予算面で配慮してほしいという要望が、小規模作業所サイドからも強くありました。私たちの声を受け止めた内容の特別対策が決定されたことで、支援法に関する不安はかなり解消されましたね。

木村 支援法だけがひとり歩きしていたら、障害者の皆さんにかえって負担を強いる恐れがあったことは確かで、私たちの障害者福祉委員会が受け皿となって、昨年末の予算編成ぎりぎりの時点で、総額一千二百億円の特別措置を講ずることができたことは良かったと思います。障害者の皆さん、現場の皆さん、団体の皆さんと私たちの呼吸がぴったり合い、そこに厚生労働省も加わったからこそ、予算編成に間に合ったわけです。
 厳しい姿勢の財政当局を説得できたのは、中川秀直幹事長、中川昭一政調会長らわが党幹部の理解と政権与党・公明党の協力のもと、皆さん、私たち、厚労省でしっかりとした話し合いを行い、・利用者の負担軽減・事業者への対応・支援法施行に当たっての促進措置・・を三本柱として、きちんと中身を積み上げて持っていったからだと思います。

江上 従来は、日身連、全家連、育成会などが、個別に政治家の先生方や厚労省に要望を出していました。それが今回は連携して運動を展開しました。これは日本の障害者支援の運動の中で、画期的なことでした。

森 支援法施行後、利用者の問題、事業者の問題、新法移行の問題、自治体の格差の問題などが指摘されましたが、今回の特別対策では、問題点が非常によく整理され、それぞれに対応策が打たれていて感心しました。
 昨年の十二月二十二日に、私たちは木村先生の障害者福祉委員会に呼ばれ、支援法円滑施行特別対策の発表を聞いたわけですが、大勢の国会議員からざわめきが起きました。先生方も地元で支援法についていろいろな批判や不安を耳にされて、困っておられたんだと思います。そこに思い切った手が打たれ、「木村先生は救世主だ」という声も聞きましたよ(笑)。


激変緩和策としての助成

江上 支援法施行による激変緩和策として、利用者の自己負担が二分の一から四分の一になったことは、大変助かりました。また、約二百六十万人の精神障害者の家族は低所得者も多く、軽減対象世帯が収入ベースで六百万円まで拡大されたことも、喜ぶべき措置でした。

松友 私はまず、自民党が基本的な構造改革を提起したことを評価します。戦後、さまざまな社会保障政策が積み上げられてきましたが、これを持続し、さらに発展させるためには、従来の考え方では駄目で、構造改革が必要でした。自民党は政権政党として、責任政党として、そこに手を付けました。そのことを高く評価します。
 確かに、支援法が施行された直後には、「それ見たことか」といった批判もありました。しかし、その指摘された問題に対して、政府・自民党が速やかに対応されたことは、素晴らしかったと思います。

木村 法律自体がまずかったということではなく、財政当局が厳しい中身を押しつけてきたことに問題があったんです。それに対して、政権与党がおかしいと判断して、速やかに追加措置を講じたということです。

岩永 私には一つ、反省点があります。今回の支援法は、戦後に行われた福祉の改革の中でも屈指の大きな改革だったと思います。ただ今回は、行政と現場の間に若干のかい離がありました。だから、支援法施行後、一挙に反発が出ました。平素から現場の声が、市町村、都道府県、国に伝わってくるシステムが必要だと感じました。
 今回の特別対策で、新法への移行のための支援策として、コンサルタントの配置、専門家の派遣など、人的支援が盛り込まれたことで、現場の声が市町村、都道府県、国に届けられるシステムができるという意味において大きな成果です。これによって、支援法はいよいよ現場の意見を取り入れながら、充実していく方向へ進むと思います。

江上 私は全国各地を回っていますが、過疎地域や離島の作業所は、定員五、六人というところが大半です。そういう作業所が、急に「十人いないと駄目ですよ」と言われても、対応できないのです。そこで、日身連と全家連が一緒にやりなさい、全家連と育成会が一緒にやりなさい、というメチャクチャな声まで出てきました。そんな混乱を防ぐために、新法への移行期間が平成二十一年三月まで延ばされたことはよかったと思います。そしてこの機会に四十七都道府県中、家族会が法人化されていない二十一都府県を法人化していきたいので先生方のご指導をお願いします。

岩永 各地の作業所の声を聞いていますと、これから自立していくための仕事がない、という切実な声が多くあります。作業所が今後、きちっとした仕事をどう探していくかが、一つのポイントです。
 市町村の行政が小規模作業所に優先的に仕事を出してもらうとか、身障者雇用の枠を達成していない企業に仕事を発注してもらうとか、そういう新しい仕組みができないものか、いま模索しているところです。


末端の事務所と手をつなぎ現場の声を政治に

森 労働と福祉の接点の問題は、非常に難しい面があります。あまり「職業、職業」と強調すると、方向を誤ります。障害者は、労働のできない人が大多数ですからね。
 日本の障害者行政の始まりは、お金を払える人が中心でした。ですから、身障者が先になり、知的障害者は後回しにされてきました。これからの障害者福祉は、障害の重い人たちを忘れてはならないと思います。

松友 それはもちろんです。私たちが今回の支援法を評価した一つの理由が「就労支援」なんです。これまで障害者の就労を支援する具体的な仕掛け、政策は不十分でした。
 例えば先日、ある小規模作業所が労働基準法違反を指摘されました。障害者でも働いている以上、労働だとみなされたわけです。つまり、労働なのか、訓練・福祉なのか、その線引きが明確にされていなかったのです。
 小規模作業所で障害者にやってもらっている仕事を労働と位置づけるのであれば、きちんと対価を支払う仕組みを考えるべきです。日本はその部分がまだまだ未成熟で、十分な対価が支払われていないのが現状です。その部分で、国民も、障害者も、支援団体も、財界・経営者サイドも理解し、賛同できる仕組みを考えていただきたいと思います。

江上 精神障害者にとって、労働に従事するということは、非常に厳しいことです。就労している人は、一割にも満たない状況です。作業所で仕事ができれば生きがいにもなるので、それが一日八時間過ごせる場所になれば、非常にありがたいし、それが就労につながれば、さらに望ましいと思います。

木村 支援法については、三年後に見直すことになっていますが、支援法を成功させ、充実させるために「こうしてほしい」という要望があれば、聞かせてください。

森 三年後に見直す場合、理念ばかりでなく、今日をどう生きるかといった現場の切実な思いにも配慮していただきたい。許されるなら、木村先生に引き続き委員長を務めていただき、岩永先生の議連も継続して活動してほしいと願っています。私たち三団体も、地元の議員に、岩永先生の議連に入っていただくよう、声を掛けているところです。

岩永 私どもの議連に入っていただくと、すぐに地元の小規模作業所を視察してもらい、末端の事業所と手をつないでいけるよう、現場の声を具体的に日々の政治活動に生かしていきます。

森 小規模作業所問題のポイントは、障害者が地域生活ができ、社会参加ができるようなシステム作りです。まだその姿が見えないというのが実情です。
 松友 小規模作業所はなるべく早い時期に法定施設化し、個別給付化に持って行き、雇用と福祉のシステムをきちんと整えていくことが重要だと思います。そこを基盤にステップアップしていくことが大事です。

木村 いずれに致しましても、障害者福祉は社会保障の原点だという視点から、今後も政権政党として、障害者福祉に真剣に取り組んでいくと同時に、支援法の充実に尽力するなど、皆さまのご期待に不断に応えていきたいと思います。

岩永 私も小規模作業所支援議連の会長として、全国六千の小規模作業所が、ハンディキャップを持った多くの方々の唯一の働く場所として十分機能するよう、全力を注ぎたいと思っています。


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森 祐司氏
 今回は非常に良いタイミングで特別対策の予算を付けていただいたと、本当に感謝しています。これをバネにして、障害者の問題にさらに取り組んでいただけるものと、大いに期待しています。障害者の自立支援についてはまだまだ課題が山積しており、これからが勝負です。われわれも研さんしながら、要望していくつもりです。

江上義盛氏
 精神障害者は病院に通い、薬を飲みながら治療しています。そういう中で、小規模作業所に通ったり、施設に行ったりしているわけです。その意味では、医療費は大きな問題です。激変緩和策として、利用料については配慮していただきましたが、医療費についても関心を持ってやっていただきたいと思います。

松友 了氏
 支援法については、理念と実態のかい離という厳しい現実がありますが、何らかの政治的対応が取られると期待していました。きちっと激変緩和策を講じていただき、感謝しています。理念は正しいわけですから、激変緩和策だけでなく、現実がその理念に少しでも近づき、発展していくよう、これからも尽力していただきたいと思います。