政経レポート

  • 2012年1月30日 12:04

    木 村 義 雄 政経レポート


    破局の道である無謀な増税を回避し成長戦略にて景気浮揚を

    前衆議院議員 木 村 義 雄


      ・新年は大乱の気配
    明けましておめでとうございます。新年にあたり皆様とご家族様のご多幸を心より祈念申し上げます。
    一昨々年の総選挙で私は皆様のお力添えにもかかわらず、連続当選七回の議席を失いました。二年以上が経過してさまざま明らかになりました。「政権交代」のワンフレーズに有権者が幻惑されたこと。マニフェストがウソの羅列であったこと。民主党に政権担当の準備も能力もなく、鳩山、菅、野田と三人も首相が交代し、しかも三人目も支持率が30%を割って危険水域に入ったこと。
    政権交代への失望の声は世を覆っています。先日の新聞に元連合会長の山岸章さんの発言が出ていました。
    「もう民主党には愛想が尽きた。自民政権との違いが分からないだけでなく、官僚を上手く使えない。という点で自民党政権より悪くなった。」
    労働運動の輝けるリーダーであり、民主党の応援団長として政権交代に生涯を掛けた山岸さんにしてこの感想です。大多数の国民も同じでしょう。
    しかし私は自分の苦杯を他人に転嫁する気持ちはありません。自らの精進の不足であり、不徳の致すところであったと、痛感しております。天が下した今の境遇を潔く受け止め、自戒し一日でも早い政界復帰を期しております。どうか皆様の変わらぬご支援を宜しくお願い申し上げます。
     さて新しい年は昨年に引き続き大乱の気配が濃厚です。日本経済は長年にわたってデフレ基調が続き円高に歯止めがきかず、去年も今年もマイナス成長が見込まれます。
     欧州の債務危機で昨年はギリシャとイタリアの首相が辞任しました。年が明けてフランス、オーストリア、スペインなど9ヵ国の国債の格付けが一斉に引き下げられました。ユーロ危機はとどまるところを知りません。アメリカもEUもIMFも有効な打開策を見出せないのです。
     さらに核開発をめぐり、イランとアメリカの間が一触即発の状況。また中国での不動産バブルの崩壊がこれに追い打ちを掛けかねません。専門家が指摘しています。
     「北京、上海、香港など大都市を中心に不動産バブルの崩壊が始まっている。沿岸部では八千万戸以上のマンションが売れ残っており、二億人の中間層が年収以上の借金を抱えている。欧米系銀行は中国に傾斜していた投資、融資を一斉に引き上げている。」
     欧州危機にアメリカ、イラン戦争、中国バブル崩壊が加わればグローバルデフレ(地球規模での同時不況)に突入する恐れがあります。すでに欧米では銀行の経営不振、倒産が続出し、失業者が増えウォール街など欧米全土で職よこせデモが起きています。日本もよほど心して進まなくてはなりません。


      ・「法案成立後に解散」と首相
     こうした中で、民主党の野田政権は消費増税に前のめりになっており、首相は「政治生命をかける」と明言しています。さらに「不退転の決意」とか「ネバー・ネバーギブアップ」とも。
     野田首相はこの消費増税と解散・総選挙の関係についてこう言っています。
     「消費税法案を成立させ、実施の前に解散して国民の信を問う」これは法案を成立させたら、野田政権なんかどうなってもよい。と言う財務省の戦略に乗せられたとも見え、法案成立前に解散したら、増税反対の政党や候補者が有利になって野田民主党が不利になるとの計算とも見えます。
     民主党内で増税反対を強く言っているのは小沢一郎氏とそのグループです。小沢氏はかつて細川政権の時、国民福祉税7%を推進しました。消費増税論者がいま反対に回っているのは矛盾ですが、約百人の選挙に弱いチルドレンを抱え「増税反対」で選挙を勝ち抜こうとの選挙目当てと見られます。
     消費税増税は至難の業です。導入した竹下内閣はつぶれ、3%から5%にアップした橋本内閣も退陣に追い込まれました。民主党が一致しなければ通らないのに、早くも小沢氏が反対を強く打ち出して前途多難です。
     これに小沢氏の裁判の行方が絡みます。四月下旬に判決が出ますが、無罪になったら小沢氏の意気は上がり、消費税反対に力が入り九月の代表選出馬も予想されます。有罪になったら民主党がまとまり野田首相がやりやすくなりそう。小沢氏の政治生命が危なくなります。
     自民党は消費税でジレンマにあります。さきの総選挙のマニフェストに10%への引き上げを掲げました。元財務相の谷垣総裁の持論でもあり本来、野田首相の増税に反対の立場ではありません。そこで次の論理を持ち出しています。
     「民主党は総選挙のマニフェストに消費税増税を書かなかった。それどころか『衆議院の任期四年間は凍結』と言っていた。ところが急に増税を言い出した。民主党はマニフェストに掲げた公約をほとんど実行せず、掲げなかった消費税増税に血道をあげている。」
     これも一理ありますが、やや苦しいところです。私はこの問題で次の見解です。
     「現時点での消費税増税には絶対に反対。いずれ必要になるかもしれないが、最悪この時期に決してやるべきではない。」
     いま日本は引き続くデフレに円高と震災が直撃し、産業界は青息吐息です。警察統計では昨年の自殺者が三万五千人余りで、十四年連続で三万人を上回りました。消費税が3%から5%に引き上げられた年から自殺者が急増し三万人を超えたことは注目です。
     いまの時期、国民に担税力はなく、増税に耐えられません。最悪の時期にやるべきではなく、やれば日本経済は奈落の底に沈むでしょう。


      ・成長へ政策を大転換
     消費税を当面に据え置くことに対し、財務省を中心に次の反論があります。
     「いま国家予算は税収の倍以上の歳出を国債発行で計上している。すでに国債残高は一千兆円のレベルに達している。こんな無理が続くわけがない。いずれギリシャのようなデフォルトに見舞われ、それこそ国が奈落に沈む。」
     これに対して私は「成長戦略で税収を増やせ。デフレでなく適度なインフレ政策を採用せよ。」との信念です。
     これまで、デフレ、円高、低金利政策を政府は採ってきました。これを逆にデフレはインフレに、円高は円安に、低金利は正常な金利に変更すべきです。
     どうすればよいか。アメリカはオバマ大統領になってから猛烈にドルを刷っています。それまでの通貨量の3倍から4倍と言われています。目的は景気浮揚のため。特にドル安にして米国産品の輸出倍増を目指しています。
     日本は超円高です。1ユーロ97円、1ドル76円は想像を絶するレベルです。トヨタやソニーなど輸出関連株が下落しているのはこのためです。
     なぜ円高になるのか。円の発行量が少ないからです。この円高を是正するには、日本も円を増刷して通貨量を増やすことです。デフレ脱却の論者のほとんどは、この政策をとるべきと言っています。
     岩田元日銀副総裁が提唱しています。「50兆円の円を刷り増しして、円基金を設定して戦略的に使おう」と。私はもっと大きく500兆円くらいの規模にしたらどうかと考えています。
     この通貨量を増やす政策を日銀、財務省は採ろうとしません。その理由はデフレで低金利の方が国債の借り替えに便利なこと。又、伝統的にインフレにはアレルギーがあること、役人は民間の好況を好まないことなどです。
     つまり野田政権は名目GDPを増やして、我が国の景気を浮揚させる政策ではなく、GDPを縮小させ、増税によって財政再建を目論んでいるのです。痩せた患者には適度な栄養補給が必要なのに、逆に患者から食料を取り上げる政策です。このためいったん上昇したGDPは二〇年前の水準に戻ってしまいました。
     円を刷ってドルを買えば、円安になるだけでなくドル高になりますから、大きな為替差益が生まれます。産業の空洞化も阻止できるし、海外に逃げようとする企業を国内にとどめれば雇用の確保もできます。
     野田政権は、これに加えて「相続税の増税」を計画しています。生きている人から消費税、死んだ人から相続税。取れるところから何でも取るハイエナのようなやり方ですね。
     しかし国会が政府と財務省の勝手を許しません。そもそも議会は国王や政府が勝手に税をかけることへの対抗装置として生まれたことを忘れてはなりません。増税をチェックし阻止する。この議会の役割は大きいのです。

      ・預金金利を上げよう
     高齢者の皆さんの財布は2つあります。1つは年金、2つ目は預金の利息です。ところが我が国では一九九五年から十七年間も、ずっとゼロ金利で預金金利もゼロです。これでは国民は安心できず、消費もGDPも伸びません。
     ゼロ金利のもとで消費税だけを5%から10%に上げる。これは極めて乱暴な政策で国会をスムーズに通るとは思えません。
     ゼロの預金金利を4~5%に上げなければなりません。4%にしたら国債の利率も上がって政府が負担できないとの説があります。私は次の反論をします。
     「国債は順送りに発行されており、一度に利息負担が増えるのではない。かつて発行された国債は低利のまま。それより景気が回復すれば税収も増え、利息の負担も容易になる。又、資金繰りに困る中小企業へは政策金融を活用し低金利での融資を実行するべきです。」
     預金金利の正常化は国民のためにやらねばなりません。


      ・香川を元気に
     いま地元香川を見ますと元気がありません。デフレのシワ寄せは地方に厳しく、工場も商店も減り若い人が故郷を離れて大都市に行かざるを得ない状況が続いています。
     最大の原因は、地方への予算配分がどんどん減っていることです。自民党時代に決定された資金配分が民主党政権下で減らされて、いよいよ地方は苦境に追い込まれています。いまの民主党政権が続く限り、地方に希望はありません。
     加えて大震災が大きく影響しました。震災復興の名のもとに人、物、金が全て東北に集中しています。東北以外の地方は復興増税だけで、その恩恵には預かっていません。
     一方では県内の経営者や富裕層からは円高や空洞化の流れに乗って「資産の半分を外貨に替えた。」とか「海外に不動産を購入し銀行口座を設けた。」などの話をあちこちで聞きます。
     このままでは日本の地方や郷土への愛着や魅力が失われ、非常に憂慮すべき事態です。
     こう見てくると、やはり財務省に引きずられてイエスマンの民主党政権を交代させることです。民主党が政権を奪った総選挙のマニフェストはウソの羅列でした。実行したのは一部のバラマキ、子ども手当て、高速道路無料化など。何よりも「無駄を省いて17兆円を捻出する。」という公約が1兆円程度でした。これによって大きな穴が開き、その穴埋めを消費税等の増税で充てようとしているのです。
     これではデフレスパイラルがますます加速し経済破局にまっしぐらです。
     ウソのマニフェスト。やると言ったことはやらず、やらないと言った消費税は「命をかけてやる。」政治の信頼をこれほど落としたことはありません。
     まず国民に聞いてみる。信を問うべきです。私は景気を良くする政策に全力で取り組み、香川が置き去りにされないよう全力を尽くします。以上、皆さまのお力添えを心よりお願いして、新年のご挨拶に代えます。お読みいただき有り難うございました。

  • 2011年7月 6日 15:17

    木村義雄政経レポート
    震災復興の財源はPFI手法の活用で

    自由民主党香川県ふるさと振興第一支部長

    前衆議院議員   木 村  義 雄

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      歴史的な311ショック 

    暑さ日増しに厳しくなる今日この頃ですがいかがお過ごしですか。 
    日本国は、太平洋プレート、北米プレート、フィリピンプレート、ユーラシアプレートの4つの境界上にある。この現実を今回ほど鮮明に植え付けられたことはかってないことでした。
     天変地異を防ぐことはできない。 しかし、その被害を最小限に押しとどめるのが人類の知恵ではないでしょうか。

    さて、3月11日が「第3の終戦」と言われ、我国の歴史的転換点となりましたが、6月2日の国会における内閣不信任案以降のドタバタ騒動は、現職の総理大臣が前総理からペテン師、嘘つきと言われるなど前代未聞の珍事であり、日本の民主主義、政党政治もここまで落ちぶれたのかと全世界に発信してしまいました。 

    震災復興の財源はPFI手法で!

     遅々として震災復興が進まない最大の問題点は財源です。 財政当局は増税の最大のチャンスとばかりに、増税を決めないことには復興費を支出しないとしています。 しかも、増税が実現しても実際に資金が被災地に使われる時期が何時になるかは義捐金の流れを見ても分かるように、全く不透明なのが永田町の常識であり、まずは財政当局の財政再建に回されるのは目に見えています。 もちろん国の懐も借入金だらけであるので、この際は「PFI手法」を採用し日本の優良企業を総動員すべきと思います。PFIとは民間資金による公共事業の推進の仕組みです。 
    大阪市の土佐堀川に淀屋橋が架かっていますが、この橋名の由来は、江戸時代の豪商淀屋が自費で架橋し管理したことに由来します。 すなわち、数百年前の日本でも民間事業者が公共事業を行っていたのです。 被災地の地域ごとに有力企業を割り振り、企業と地域が一体となって復興事業を進めていく。財源をその企業の内部留保(国内一部上場企業で数百兆円ある)を充てる。もちろん協力した企業に対しては法人税等を優遇するなどのインセンティブを政策的に考慮する。 復興が早まるのであれば企業城下町になってもよいのではないでしょうか。 有力企業が海外に逃避するのを阻止する方策にもなると思います。 これによって現在の日本経済の最大課題である産業の空洞化の一つの解決策にも資すると思われます。
     もっとも、産業空洞化に関しては、あらゆる対策を講じなければなりません。 もしもこのまま、円高と放射能汚染が継続し、国内の電力問題が深刻になれば、日本から有力企業と富裕層が海外に脱出し、国内に残るのは、高齢者とワーキングプアーばかりになってしまいます。 イギリス病どころでなく、ギリシャ・ポルトガル状態に陥ってしまうでしょう。

      やはり社会保障政策に未来を!

     民主党はマニフエストで消費税には触らずに基本年金はタダで給付するようなことを書いていましたが、いつの間にか、社会保障・税制一体改革で2015年頃に税率10%だとか言い始め、増税策のオンパレード。 さすがに党内から異論が巻き起こり迷走しています。 
    実際に消費税が増税されても、まずは財政再建に、次には震災の復興財源に回されて、本当に社会保障に回ってくる保証は全くありません。 もし、消費税の全額を年金・医療・介護に使うというなら、今までの二重徴収三重徴収の仕組みを解消し、基礎年金国民年金保険料・健康保険料・介護保険料の個人からの徴収を全額消費税に振り替え、給料や所得からの天引きも止める。  すなわち個人からの保険料徴収を零にし、単純に消費税に一本化すべきとの意見があります。 これなら未納問題も解消し、消費支出の割合で負担するのですからそこそこの公平性も担保されます。この実現を図るには、消費税を一般会計から分離し、新たに社会保障総合会計を創設し、給付と負担の関係を明確にさせます。 これによりようやく制度の信頼が出てくるでしょう。いままでの「社会保険方式」か「税方式」かの不毛な議論に対しそろそろ新しい視点で臨む時が来たように思われます。
    震災被害者にとっても、一般国民にとっても将来不安の解消は社会保障政策の充実が最重要です。 また何もかも失った被災者にさらなる負担も求められません。 
    民主党政権は口ではバラ色のことばかり言いながら、実際は無慈悲な内容ばかりです。 どうしてこのような政権が存続しているのか、全く不思議な国と言わねばなりません。
    政権交代後のこの2年、我が国の政治、経済、社会の混乱は未曽有の事態で目を覆うばかりです。 国益や国富の損失は計りしれません。 国民は将来を憂い、このままでは国が滅びるかもしれないとの危惧を抱きつつあります。 
    日本を現状の危機的状況から救い、国民の安心を取り戻し、世界から尊敬される国家として再び蘇らせるためには1日でも早く政権奪還を実現しなければなりません。 

  • 2011年1月28日 17:45

    木村義雄政経レポート

    心機一転、国政へのカムバックを誓う
    成長戦略を掲げ、日本再出発の年に

    自由民主党香川県ふるさと振興第一支部長 
    前衆議院議員     木 村  義 雄

      ~「新しい展開」の年~

     明けましておめでとうございます。年が改まり、皆さまと共に心機一転して、新たな意欲をもって生き抜きたいと存じます。
     私は一昨年の夏、あの民主党に大きな追い風が吹いた総選挙で苦杯をなめました。昭和六十一年以降、連続当選七回、二十三年保った議席を失ってしまいました。
     しかし、私は昭和二十三年生まれの六十二歳。二十一年生まれの菅直人や仙谷由人より若い働き盛りです。このまま引っ込んでいるわけにはまいりません。必ずや議席を奪い返し、皆さまのお役に立ちたいとの決意で毎日の活動を続けております。どうかこの心情をお汲みとりいただきますよう、伏してお願い申し上げます。
     さて、新しい年、辛卯(かのと、うさぎ)はどんな年でしょうか。辛は「古代に奴隷や罪人に入れ墨をした、取っ手の付いた大きな針」の象形。転じて「つらい、むごい、ひどい」意義となりました。今年もかなり厳しい年が予想されます。しかし辛は新に通じ、新たな「新生」をも示唆しています。
     卯は「無理やりに門を押し開けた形」と漢和辞典にあるように、新しい展開を意味しています。次のように考えられます。
     「悪くすると、その果てにご破算も懸念されるが新たな改革、展開をしていく年」
     私が議席を失い、自民党が政権を失って一年半。いま民主党政権から潮を引くように人心が離れています。菅内閣は死に体になりながら、懸命に権力にしがみつこうとしています。永田町には次の考えが有力です。
     「今年は、内閣総辞職か解散・総選挙が必ず起きる」
    もし起きなければ、日本は没落する、との声を多く聞きます。一日も早く民主党政権を打倒しないと、取り返しのつかない事態になります。この思いを是非、皆さまと共有したいと存じます。


      ~目を覆う民主党政権の失政~

     この一年半、民主党政権になって日本の国は「国富と世界からの信用」の二つを失いました。
     子ども手当てなど、バラマキ行政を行いつつ、税収より借金の方がはるかに多い、自民党政権では考えられなかった深刻な事態が続いています。
     一方で、財政が危機的状況なのだから税収を増やすための成長戦略をとるべきなのに、反対のデフレ政策を継続させている。これでは国家が破綻せざるをえません。
     一月十四日に内閣改造があり、自民党時代に官房長官などを歴任していた与謝野馨氏が一本釣りで経済・財政担当相に、元財務相の藤井裕久氏が官房副長官に就きました。二人とも消費税引き上げの熱心な論者で、菅首相が財務省の意向に従って六月までに消費税の一〇%への引き上げ方針を固める戦略が見え見えです。しかし、この消費税引き上げには大きな問題があります。
     一昨年の総選挙で民主党が揚げたマニフェストは今や「ウソの羅列」との評価が定まっていますが、見逃せないのは「旧政権が造った無駄を省けば十六兆円が出てくる」とあったことです。
     マニフェストは国民との契約です。それが事業仕分けなどで無駄を省こうとしたが、一兆円にもほど遠い数字でした。埋蔵金も「ある」と言っていたのに「無い」。
     民主党政権は国民に伏して謝るのでもなく、説明するでもなく、岡田幹事長はこう言っています。
    「マニフェストは七月までに変えます」
     政府は「無駄はもう無いのか、あるのか」を説明すべきです。そして無いのなら謝罪して宣言を出すのが当然です。これをきちっとせず、菅首相は民主党のバラマキでできた穴を消費税増税で埋めようとしている。これほどの国民への裏切りはありません。

      ~悪政は地方に及ぶ~

     国の悪政の影響は地方、地域に厳しく及び、配分された予算までもが取り上げられています。
     香川県では六八〇億円ついていた高速道路の四車線化の予算が全額吸い上げられ、平成二十三年度予算はゼロ査定でした。ダム予算は小豆島を除く県内の三つのダム建設は全く見通しなし。水不足解消のメドが立ちません。
     防災対策である河川の改修、海岸の防潮堤建設も大幅に減額されました。地域医療を再生させる予算も半分になりました。ふるさとの皆さんの安心、安全はどこへいったのでしょうか。
     農業の個別所得補償の問題が広がっています。この制度は本来「米価が下がったら、下がった額を補てんする」ものです。ところが買う業者らは、これに目を付けて買い叩く。いま二~三割も米価が下がっている。ところが予算に限りがあるから全額は補てんされない。その結果、農家は大幅な減収に苦しんでいます。この個別所得補償はコメの生産意欲をなくす結果をもたらしています。
     子ども手当てはマニフェストで二万六千円だったのが半額実施で一万三千円でした。しかし、これらのバラマキ政策が一昨年の政権交代の原動力になり、今も喜んでいる人がいます。
     これに味をしめた民主党政権は次に「おとな手当て」を考えているそうです。民主党を支持する学者の提案は次のようです。
    「二千万人いるという年収二〇〇万円以下のワーキングプアーに現金を配る。基本収入(ベーシック・インカム)として月額三~四万円から七万円」
     マニフェストは国民に対する「やるやる詐欺」でしたが、詐欺師は同じ手口を何回も使う。国民は何回もだまされかねない。気を付けねばなりません。
     民主党政権の特徴は社会主義政策です。「働く人も働かない人も同じ恩恵を受ける」ということです。いま生活保護を受けている人たちがどんどん増えています。新年度には新しい政権になってから五〇万人も増加するそうです。次のブラックジョークがあります。
    「中国から日本への留学生が激減している。なぜか。中国政府はこう考えた『若者を日本に送り込んだら、働かない社会主義者になって帰ってくるから困る』と」


      ~日米の亀裂を突く中国・ロシア~

     民主党政権下で日本は世界の信用を失いました。まず鳩山前首相が反米、親中の姿勢を明らかにし、政府間で決まっていた「普天間基地の辺野古移設」を白紙にして「国外、最低でも県外」と言いました。鳩山前首相は米国からの信を失って退陣しましたが、普天間問題は全く進展しないままです。
     この日米間の亀裂を突いて尖閣での衝突が起きました。漁船をぶつけてきた船長を無罪放免し、この責任を那覇地検にかぶせた仙谷前官房長官の醜態はまさに問責に値するものでした。この日本の領土問題での逃げ腰を見てとったロシアのメドベージェフ大統領が、初めて北方領土の国後島を視察しました。
     すべて民主党政権の外交のお粗末さがドミノ倒しのように引き起こしたものでした。
     中国に対して日本が遠慮し、媚びる姿を見て、東南アジアや欧米で次の評価が広がっています。
    「日本は頼りにならない。アジアの盟主の地位を失った」
     海外から日本に来ていた外国人、外国企業が次々に引き揚げています。日本企業はどんどん日本を見捨てて海外へ向かっています。これまでは円高や安い労働力と市場を求めての海外進出でしたが、今は「日本からの脱出」のイメージが強くなっています。
     一流企業の中でも「社内で日本語を使ってはダメだ。英語で話せ」と決める会社が出てきました。藤原正彦さんの言うように「国家は国語」です。日本のアイデンティティを否定する、これほど国家をコケにした話はありません。
     この国家観のない風潮は、菅、仙谷、枝野といった左翼の全共闘出身の政治家が政権に携わったことと関係があります。彼らは「国家は悪である」という考え方です。頭の中に「国家と国民」はなく、「政権維持」しかないのです。


      ~身動きできない小沢氏~

     支持率が六〇%から二〇%台にまで落ち、国民の信を失っている菅内閣は「支持率が一%になっても頑張る」と政権にしがみついています。
     「菅は首相になりたくてしょうがなかった。しかし首相になって何をするかは全く考えていなかった。」と評論家が指摘する通りでしょう。なぜ、死に体の菅政権が低空飛行を続けられるのか。これには「マスコミが反小沢の菅政権を支えている」とか「子ども手当てなどお金を配る政権は続いた方がいい。と一部の国民が思っている」などの要素がありますが、実力者の小沢一郎氏が身動きとれないのが大きいのです。
     小沢氏は「政治とカネ」の問題で検察審査会で起訴相当の決定を受けました。小沢氏は「政権政党のもとで裁判を戦いたい」と思っており、菅首相に散々嫌がらせを受けても「同志と共に離党する」とか「菅首相を総辞職か解散に追い込む」との決断を固めることが出来ないのです。
     裁判中に選挙になれば、自身が動けないだけでなく、多くの小沢チルドレンの落選が予想されるからです。この党内で最大勢力を持つ小沢氏が動けないところに菅政権がフラフラながら続いている要因があります。
     しかし、参議院で野党が多数を占め、予算案はともかく、予算の関連法案に反対するのは目に見えています。この時、菅政権は窮地に追い込まれます。その時期は三月から四月にかけてでしょう。
     同じ時期に統一地方選挙があります。民主党は昨年二月の長崎県知事選に始まり、夏の参議院選挙、北海道五区の補選、福岡市長選挙、沖縄県知事選挙、それに年末の西東京市議選と連敗を続けました。特に西東京では惨敗の結果でした。言い換えれば去年は自民党の全勝だったのです。
     この二月六日に愛知県知事選と名古屋市長選がダブルであります。ここでも民主党は敗北が予想され。特に知事選では自民が分裂しているのに三位の結果と思われます。続く名古屋市長選挙でも、いま現在第一党の民主党の退潮が見込まれます。
     こうした選挙結果が出ると「菅では統一地方選挙を戦えない」との声が地方からも、党内からでもいよいよ強まり、政権は断末魔の様相になるでしょう。


      ~本年こそ日本再出発の年に~

     こうした政局を見るにつけ、私は引っ込んでいるわけにはまいりません。多くの人から言われます。
    「民主党に投票して失敗した。もう二度とだまされない」
    そして、次のような声も。
    「このままでは日本は沈没する。一日も早く民主党政権を打倒すべきだ。是非、カムバックしてほしい」
     政治家を実績、実力でなく、人気とパフォーマンスで選んだことが反省されているのです。このお粗末な民主党に政権を取らせたのはマスコミと国民の判断が間違っていたのです。国民もようやく気付いて、その結果が内閣支持率の急落です。
     ほぼ全部の世論調査で自民党支持が民主党支持を逆転しました。とくに大都市ではダブルスコアで自民党が上回っています。
     いま選挙になれば自民党の第一党は十分に予想できますが,それを確実なものにするにはまだまだパンチが足りません。これからの懸命な努力による自民党の再生が日本の政治を立て直す大きな推進力になると思われます。
     政権交代後のこの一年半,我国の政治、財政・金融政策の混乱は未曽有の事態です。国益や国富の損失は計りしれません。国民は将来を憂い、国が滅びるかもしれないとの危惧を抱きつつあります。
     今年こそは、日本を現状の危機的状況から救い、国民の安心を取り戻し、世界から尊敬される国家として再び甦る出発の年としようではありませんか。 この事を強くお訴えして、新年のご挨拶にかえます。ご覧くださってありがとうございました。